こんにちは新谷です。
先日バイクで夕張あたりを走ってきたのですが、紅葉は序の口でしたね。
でも波打つ様な稲穂が広大に広がる大地を、トラクターがゆっくりと進んでいく牧歌的な風景に癒やされました。
「私ももっとできることがないか!頑張っている皆様に負けないくらい頑張って、皆様が安心して仕事に精を出せるようになればいいなぁ!そして、北海道がもっと豊かになればいいなぁ!」と、ツーリングで遊びながら燃えていたわけです(笑)
さぁ、紅葉とか燃えるとか言いましたが、これからどんどん乾燥してまいります。
手荷物にリップクリームが増えた私。
これからは火事が心配になってきますね。
ということで火災保険についてよくある質問としてもらい火について書こうと思います。
タイトルに書きましたが、「もらい火でも火災保険は出る?」と思いますか?
出ます。
あっさり言ってしまって「これで今回は終わりか?」と思われるかもしれませんが、もう少しお付き合いください。
自分で出した火事はもちろんですが、もらい火でも火災保険は出ます。
と、言うよりはもらい火で保険が出ないと困るんです。
何故かと言うと、もらい火は火元に弁償を要求できないからです。
法律でしっかりと定められている決まりなんです。
名前を『失火ノ責任ニ関スル法律(略して失火法)』 と言います。
簡単にいうと、「うっかり出してしまった火事であちこちに燃え広がってしまったとしても、火元は弁償をしなくてもよい」 というイメージです。
反対に言うと「もらい火は誰にも弁償を求められないから、自分で備えよ」ということですね。
なので、もらい火の出ない保険では困るという事です。
自分が出す火事は用心したりオール電化にしてればかなり防げるかも知れませんが、お隣が同じくらい用心深いとは限りませんからね。
それに「放火や放火の疑い」が未だに火災の原因の2割を占めていますし。
【参照】 総務庁消防庁HP > 刊行物、映像データ等 > 平成24年版 消防白書 > 4.出火原因
ちなみに、直接もらった火で燃えなくても、消火活動によって水浸しになってしまった損害も守ってもらえますから安心してくださいね。
では、「自分が火をもらっても火災保険に入っていれば安心!」と言えたとして、「火を出しても弁償しなくていいから安心!」とは言えるでしょうか。
これは不安が残ります。
というのも先ほど登場した法律は「失火法」と言い、失火でないとこの法律が適用されないからです。
つまり、うっかり出した火でなく、「火事になるのも当然でしょう」 という状況下で起きた火事は失火とは言わず、当然賠償義務は免れない、つまり弁償をしなければいけないんです。
例えば寝タバコや天ぷら油を日にかけたまま放置した場合などは、過去の判例でも失火と見なされずに賠償を命じられたケースが有ります。
これらのケースを重過失と言います。
ですから、失火に当たらない火事を起こしてしまったときには、このブログでは最もメジャーな保険「個人賠償責任保険」がカバーしてくれます。
本当に、高くないのに頼れる保険です。
ちなみに放火や保険金詐欺は故意ですから、故意を認める保険はありません。
さて、ではもう一歩進んだ話。
「自宅は火災保険で安心」
「もし重過失で日を出してしまっても個人賠償責任保険で安心」
本当にこれだけで安心ですか?
本当に、火事を出して近隣に燃え広がってしまって、自宅は自分の火災保険でピカピカに直って、周りの家は黒焦げたままでも「失火だから弁償しなくていいもんね」と言っていられますか?
モラル的なことですね。
隣近所の方がうっかり火災保険をかけ忘れていたり、あるいは十分な金額の保険でなかった場合、それはそれは心苦しい思いをするかもしれません。
それに備えるのが「類焼損害補償特約」です。
法律を立てに、ご近所さんと対立をしては、いくら自宅が保険で綺麗になっても住み心地が良くないですもんね。
さて、もう一つ。
失火法は債務不履行までは認めていません。
どういうことかというと、賃貸にお住まいの場合に、借りた部屋は元に戻さなければならないよということです。
火事で隣のお部屋とかに弁償しなくても良いかもしれませんが、借りたお部屋の原状回復はしなければなりません。
ですので「借家人賠償責任保険」という保険がちゃんとあります。
長くなりましたが整理すると以下のとおりです。
火災保険 : もらい火も含めた自宅を守る備え
個人賠償責任補償 : 重過失と見なされ弁償しなければならない場合の備え
類焼損害補償 : 弁償する義務はない場合でのモラルとしての準備
借家人賠償責任 : 賃貸住宅に住む場合の大家さんへの責任
それぞれの補償の詳細は以下の東京海上日動HPの商品紹介ページヘのリンクを参照下さい。
◆火災保険 ⇒住まいの保険
◆個人賠償責任補償/類焼損害補償/借家人賠償責任 ⇒特約
◆住まいの保険パンフレット
では安心して落ち葉で焚き火と焼き芋を楽しみましょう!
新谷拓己