自分の方が被害者側なのに賠償金を払う!?

先週末はすごい雪でしたね!
私は21日(金)に体調を崩して月曜まで寝込んでたので気づかなかったのですが、
月曜の朝に車を動かそうとしたら、30cmくらいの雪が車を覆っていて驚きました。

そして、大雪が降る ⇒ 除雪作業が入る ⇒ 道幅が狭くなり視界も悪くなる ⇒ 事故が起こる。

やはり週明けの昨日は事故の報告がたくさんありました。

なかでも本当にお客様が可哀想なのが、「青信号で直進中に、信号無視の相手車が右から飛び込んできた」という事故。



弊社のお客様は完全な被害者なのに、警察が現場に到着するなり、相手運転者が「自分側の信号が青だった」と主張しだしたものですから怒るやら呆れるやらです。

このブログでも何度も書いてますが、『デマカセを言ってみて、うまく行ったら儲けもの。失敗したら、勘違いでした。』が横行していて本当に嘆かわしいです。
どうか事故を目撃した方がいらしたら、いつか自分を助けてくれる人が少しでも増えるようにと思って立ち止まり、目撃者になって差し上げて下さい。

ちょっと前段が長くなりましたが、ここからがタイトルの内容「自分の方が被害者側なのに賠償金を払う!?」です。

自動車事故があるとお互いで示談をすることになりますが、そこで重要になるのが次の2つです。
「過失割合」と「損害額」。

ではその2つがどう影響してくるのか、具体的に見ていきましょう。

下のような事故のケースです。
過失割合
A車が直進中に、一時停止を無視して飛び込んできたB車との事故です。

ここでA車は2台描かれていますが、左右どちらから来たにしても、過失割合に違いはないという意味です。

これもちょっと意外かもしれませんね。

では、このケースで悪いのはどちらでしょうか?
もちろんB車ですよね。

では「どれくらい悪いのか?」が過失割合です。

基本的に一時停止無視の上記の様なケースでは、これまでの判例に基づく基本過失というものがあります。
実際にはここから、道幅や速度や幹線路かどうかといった修正をしていくのですが、過失割合についての細かい話は次回以降に回すとして、過失割合と損害額が以下の様に決まったとします。
割合損害額

皆さんがAさんだったらどうですか?

「まぁちょっと納得いかないけれど、 相手はいっぱいお金かかって可哀想だし、自分も不注意といえば不注意だから2割位認めてあげてもいいかな…」

そんな風に思ったあなた。

意外なのはここからです。
今回ポイントになるのは、双方の「損害額」に大きな開きがあるところです。

実はこの「過失割合」と「損害額」に決まりますと、結論としてAさんからBさんへ 12万円を支払わなければならなくなります。

一時停止を無視したのはBさんなのに、なんで被害者のAさんがお金を払う側になるの!?

何故かと言うと、Bさんは80%悪いので、相手の修理費の8割である20万円×8割=8万円をAさんへ払わなければなりません。
ではAさんはというと、20%悪いので、相手の修理費の2割である100万円 ×2割=20万円をBさんへ払わなければなりません。

つまり、20万円-8万円で差し引きAさんはBさんに12万円を払う事になるというわけです。

・・・なるほど。
と思えましたか?意外ではありませんでしたか?
意外に思わなかった方は保険屋さんが向いているかも知れませんね 笑
私は始め意外でした 笑

でもこれが正しいのです。
というのも、Bさんは100万円のマイナスがあるわけですから、12万円をもらってもまだ88万円も足りないのです。
Aさんは10万円のマイナスですから、12万円を払っても22万円の不足です。

つまりお互いの不足額がちゃんと20:80になるんです。 
言い換えると、今回の事故の損害総額100+10=110万円を2:8で折半しましょうということです。
それでもまだ意外かもしれませんね。

つまり高い車には、ぶつけるのはもちろん、ぶつけられても大変な目に遭うということです。

これからどんどん見通しが悪くなり、しかも一時停止も止まりきれずに飛び出してくる車がたっくさんいますよー。
のほほんと直進していて、高級車が目の前に飛び込んでくるかもしれません。

恐ろしいですねぇ・・・ 

でも車両補償も賠償補償も、ちゃんとした保険に入っていれば恐れることはありません。
皆さんは安心ですか??

新谷拓己 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です