皆さんこんにちは。
ここ数日は雨模様ですね。台風の影響でしょうか?
火災保険にはお入りですよね!
さぁ今日のテーマは高齢化が進む日本で、お父さんが認知症になってしまったらどうしましょうという話題です。
先日7/9の日経新聞で、水曜日のコーナーである「マネー&インベストメント」に取り上げられました『認知症にも賠償保険』という記事はご覧になりましたでしょうか?
これは、愛知県内に住む当時91歳だった認知症の男性が、JRの列車にはねられてお亡くなりになった2007年の12月の事故にまつわるお話です。
亡くなってしまって可哀想・・・というだけでなく、その男性の遺族にJRは賠償金を求めたのです。
と言いますのも、JR東海としては事故によって振り替え輸送の費用などが発生したため、損害賠償としてその費用額およそ720万円の支払いを遺族に求めたというわけなんです。
その裁判の判決やいかに・・・
名古屋地裁での一審に続き、名古屋高裁の判決のいずれも、男性と同居する妻に責任があったとするものでした。
つまり、妻には防ぐことができた、賠償の義務があるという判断ですね。
ただし、JR側にも防止策としてセンサーやフェンスを設置することもできたはずだということから、JRが求めた金額720万円の半分、360万円の支払いを妻に命じたそうです。
さぁこれで「家族が徘徊するようになってしまったなら、もしそれによって事故が発生した場合に、見守る家族には賠償責任が及ぶ」という前例ができてしまいました。
とあるブログでは、「認知症の家族の閉じ込めにつながる」ですとか「見守ると責任があり、放っておいた家族に責任がないというのでは、積極的に面倒を見ようという家族が減るのではないか」といった意見がありました。
反対に、「では徘徊している人によって引き起こされた事故で、もしドライバーや歩行者が死んでしまったら取り返しがつかない」ですとか「JRに責任があるの?」という意見もありました。
一家庭の問題ではないですね。
社会的な解決策がないものでしょうか。
ただ、少なくともいま自分で出来る備えがあります。
それが個人賠償責任保険です。
年間1500円程度で、国内の賠償責任保険金額は無制限という特約です。
特約ですので火災保険や自動車保険、傷害保険などに付帯して申し込みます。
ここのブログではしょっちゅうお話をしているので、もうご存じの方も多いですよね。
全てがこの特約でまかなえるとは言い切れませんが、保険のプロほどこの掛け金の価値を知っていると思います。
まかないきれない賠償事故の注意点は以前もブログで書いた通りです。
・踏切で立ち往生!電車を止めてしまったら?(5月28日)
今回のケースで必ず個人賠償責任保険が支払われたかは断定しませんが、もしこれが「電車が男性に接触もせず、乗客の誰もが無傷だった場合」には、この補償の対象にはなりません。
「今まで日常で弁償なんてしたことない」と仰る方も、初めて経験する事故が数万円のこととは限りませんよ。
経験をしてから保険をかけようと思っていては手遅れになるかもしれません。
さて、認知症についてもう1つ別の話。
最近困るのが、ご年配の方の火災保険です。
火災保険に限った話ではないですが、ご年配の方でも入っている保険というと火災保険が多いので。
例えば認知症になってしまったり、はたまた字を書いたり読んだりもできないとか、あるいはずっと昏睡状態になってしまったときに、お家が燃えてしまったらどうしましょう。
火災保険の保険金を請求できるのは、被保険者である持ち主のみ。
つまり登記上の所有者でないと保険金は請求できません。奥様でもお子様でも親御さんでもいけません。
どうしてもご本人が保険金の請求行為ができない場合には、成年後見にお願いするしかありません。
しかしこの成年後見制度はまだまだ利用されていないのが現実です。
今後は団塊の世代の方々が、マイホームのオーナーとしてお家とともに年を取っていきます。
新築ならびくともしなくても、年配の住宅なら台風にも振り回されてしまうかも。
もしダメージを負ってしまったときに、オーナーがしっかりしていないと困ります。
契約者をお子さんにしたってダメです。請求を出来るのはオーナーですから。
完璧なのは、お家を譲渡するか、後見人を立てるか。
ちなみにお家を譲渡するときには、必ず事前に保険の相談をしなければいけないことは前にブログで書きましたよね!
注意!長期の火災保険のメンテナンスについて(5月19日)
高齢化社会に突入するにあたって、準備しておくことや知っておいたほうが良いことはたくさんありますね。
新谷拓己