皆さんこんにちは。
昨日は温かくなった後に冷えて、道路が滑りやすくて怖いですね。気をつけましょう。
今回のテーマは先進医療についてです。
前回の記事 『北大で最新のがん治療を!』の続きにもなりますので、道内にお住まいの方はあわせてお読みになってみてください。
さて、先進医療について皆さんはどれくらいご存知ですか?
「費用は自己負担なんだっけ?」
「最新の治療法でしょ?」
「受けたらすごく治りそう!」
そんなイメージだったりしますか?
大まかに当たってますが、良ければもう少しだけ詳しく知ってみてください。
まず、関係ない様に思うかもしれませんが健康保険の話から。
この健康保険にはほとんどの方が入っていると思いますが、主な機能はこの2つ。
・治療費は3割負担
・高額の場合は更に自己負担が軽くなる(高額療養費制度)
高額療養費制度は絶対に覚えておいたほうが良い、とっても助かる仕組みです。
が、その紹介は別の機会に。
今のところは極簡単に「すごく高い治療を受けても、自己負担としては10万円くらいあれば大丈夫そう」というイメージで思って下さい。(所得や年齢、ご加入の健康保険組合にもよるので、あくまで70歳以下一般所得の国民健康保険加入者のイメージです。詳細はご加入の健康保険組合へ確認下さい。)
ただし、10万円というのは健康保険が効けばの話!
ここから先進医療の話に移っていきます。
健康保険は原則「一部でも保険適用外の治療を受けた場合には、その治療全てを全額自己負担とします」というルールになっています。
保険の効かない薬を飲んだら、それ以外に受けていた全部の治療に保険が効かなく なってしまうなんて、ちょっと納得いかない気がしますね。
これを『混合診療の禁止』と言います。
『保険が効くBの治療は3割負担で、最新の治療法Aは全額自己負担』というやり方は認めませんと言うことです。
しかし一部例外を認めてもいます。
その代表的なものが、差額ベッド代や先進医療などです。
やっと出てきました先進医療。
つまり、先進医療に指定されていない、最先端の治療法を受けると、全額自己負担になるんです。
誤解されていることが多いのですが、
先進医療は『保険がきかない最新の治療法』ではなくて、『厚生労働大臣の承認を受けた109種類の治療法(2014年1月1日現在)』 だということです。
更には、治療法ごとに受けられる病院も決められています。
全国で1,294施設があり、その内北海道内の施設は41件です。
※厚生労働省HP「先進医療を実施している医療機関の一覧」
例えば前回の記事 『北大で最新のがん治療を!』でご紹介した陽子線治療を先進医療として受けられるのは、全国で8箇所しかなくて道内にはありません。
私たちに最寄りの施設ですと福井県・千葉県・茨城県です。
似た治療法である重粒子線治療では全国に4箇所で、最寄りは千葉県・群馬県です。
では、これらの治療法がどれくらい先進医療として利用されているかというと、こちらです。
◇陽子線治療 年間件数1,628件 平均費用2,580,184円
◇重粒子線治療 年間件数1,053件 平均費用3,306,186円
出典:第3回先進医療会議資料(平成25年1月16日開催)「 平成24年度実績報告(平成23年7月1日~平成24年6月30日)」より
この数字はいかがでしょうか。案外少ないと思われませんか?
しかし施設数が8箇所や4箇所ですし、費用も高額ですから、この件数なのも頷けるかもしれません。
この度、札幌にも待望の陽子線治療施設ができました。
この治療法がこれから利用され、そして先進医療として認定されれば、健康保険の一部併用(混合診療)が出来るようになります。
そして生命保険の先進医療保障があれば、全額自己負担の300万円ほどする技術料の心配もいりません。
より多くの方にこの保障をおすすめすることができたら、更にこの治療法が周知・利用されるようになります。
そしていつか健康保険そのものが適用されるようになるかもしれません。
がんになっても、週に一度近くの病院のベッドに30分寝ているだけで治る時代がやってくるかもしれません。
札幌の医療の発展は、僕達の普及活動にかかっている!
そう思って、今日もできるだけ多くの人に勧めていこうと思います。
新谷拓己