おはようございます。
前回バイアスについて書かせて頂いて、今回はパート2です。
金銭的な感覚についてのバイアスでしたが、今回は災害やトラブル時のバイアスです。
こちらはきっと前回の内容よりも身近で実感のあることかもしれません。
例えば、きっと大丈夫と思い込んだり、自分の身には降りかからないさと思いたくなること。
また、前回も前々回も大したことなかったから今回もきっと大丈夫と考えてしまうこと。
たったいま軽い地面の揺れを感じたとして、すぐに扉を開けて外に出たり、トイレなどの頑丈な場所に逃げ込む方はまずいないのではないでしょうか。
車の運転をしていて、事故現場を見ました。
脇を走るときに、みなさんはどう思うでしょう。
「自分の身にいつふりかかかるかもわからない・・・気を引き締めて運転しなければ・・・」と思う人。
「あ~やっちゃったんだなぁ。どうしてあんな事故を起こすのか、私にはわからないな。」と思う人。
どちらが多いでしょうか。
私たち保険屋さんにとっては、この「きっと大丈夫と思い込む」正常性バイアスがとても厄介です。
私たちは10台に1台近くの割合で事故があり、保険の加入率はおよそ8割程度であることなどを知っています。
そして、事故はふとした気の緩みから誰にでも起きることも知っています。
100人のお客様がいらっしゃれば、およそ8人の方は保険をご利用になり、もっと多くの方が事故に遭遇します。
そこに「この人は大丈夫」はありません。
しかし「私は大丈夫」は多分に存在します。
事故の多くは、当事者の両方が注意を怠っている場合に起きるケースがほとんどです。
事故があると、「どっちが何割悪い?」「賠償額(求償額)はいくら位かな」と考えるのは重要なことですが、 それよりも取り返しの付かない体へのダメージ、社会的ダメージがあるのです。
悪いくない行動をしているから、交通ルールにのっとっているからOKではなく、もう一歩進んで下さい。
加害者にも被害者にもならないで下さい。
横断歩道で信号を待つときも、あまり車道ギリギリに立たないで下さい。
自転車では車と同じように左側を走って下さい。
一時停止が自分の方にないからと、無造作に交差点を横断しないで下さい。
もっと言いますと、青信号で交差点に入るのも左右から車が飛び込んでこないか確認してください。
赤信号に気づかずに走ってきた車とぶつかってしまい、大怪我をしてしまったという事故は現実に起きています。
少し重くなってしまいましたが、「私は大丈夫」と考えることは簡単で危険なバイアスです。
今後、事故の例なども今後ご紹介して参ります。
どうか、「近所ならあそこで起きそうだな、私も気をつけよう。」「家族にも『こんなときは車から見えにくいから事故にあわないようにこうしたほうが良いよ』と話しておこう。」と思って頂けたら幸いです。
新谷拓己