強風と各種保険 ~看板落下 ドア煽られ~

おはようございます新谷です。

吹雪日曜日はかなりの強風でしたね。
札幌かに本家では看板の落下事故が全国ニュースになっておりました。
被害者女性のその後が気になります。

あるいは経営者ならば、ご自身の店舗の看板を思い浮かべて恐ろしくなったという方も少なくないでしょう。

また歩行者としても、頭上は必ずしも安全ではないことを認識させていただきました。
特に冬場は落雪の恐れがあります。風が強いと壁から離れて歩いていても安全とはいえません。

いくら慰謝料や治療費が支払われても元気な体には変えられませんので、まずは被害に合わないようしたいものです。
とは言え脱法ハーブを使用したドライバーが運転する車が飛び込んできたりと、予想もつかないこともありますね。
全く外に出ないわけにも行きませんし、地下を歩くにも限度がありますものね。

ともあれ看板は防げた事故であったかと思うと残念です。

さて、今回のような強風にみまわれますと、様々な事故が起きる場合があります。
そんな時に保険はどう役立つのかというお話です。
 



まず、保険は大きく分けて2つあります。
・他人に払うお金 
・自分がもらうお金

保険は補償としてお金を受け取るわけです。
ではそのお金は誰に支払われる為のお金かというのが上記の2つです。

「他人に払うお金」
これはいわゆる賠償責任保険というものです。
つまり、看板の落下などで他人の身体や財物に損害を与えてしまい法律上の賠償義務が発生した場合に役立ちます。

施設の所有・使用・管理に起因する事故をカバーしたければ、施設賠償責任保険が代表的です。
その他、建物管理賠償責任保険というものもあります。

建物を所有する上では欠かせない保険ではないかなと思います。

では看板が飛んでいって誰か何かを傷つけてしまった場合に必ず出るかというと、一概にYESと言えません。
なぜなら法律上の賠償義務があるかどうかがポイントだからです。
予見性や危険回避可能性があるか。
例えば、そこら中の看板が飛んでしまうようなとんでもない強風が吹き荒れ、その看板のうちのひとつである取り付けて1週間のA社の看板がたまたまBさんの車を破壊してしまった。
このようなときには、賠償義務が発生しない可能性があります。
「賠償義務が発生しない ⇒ 賠償責任保険が発動しない」 となります。

塗装業者が必要な飛散防止対策を怠ったがために塗料による賠償事故が起きた場合など、「賠償義務があるけれど保険が発動しない場合」もありますので、詳しくは代理店や保険会社へお問い合せ下さい。

「自分がもらうお金」
これは自分の所有する財物や自身の身体に対してかかる修理費・治療費などの備えですね。
身体に対しては強風で注意することはさほどありません。

財物については住まいの保険(火災保険)や自動車保険で備えます。

風による損害を風災といいます。 
そして風災の場合、古いタイプの火災保険だと20万円以上の損害が出ていない場合には発動しないというものがあります。
ただし、風で直接屋根がめくれたというのでなく、強風で飛んできたモノが家にぶつかったことにより破損した場合は「日常リスク(物体の飛来)」 で補償される場合があります。
どちらで補償されるかはケースバイケースですので代理店に詳しく相談をなさって下さい。

自動車も同じく風などで飛んできたものが窓ガラスを割ったりボディを凹ますこともあります。
愛車を守るには車両保険に入ることで対応できます。
ただ自動車保険は次年度の保険料の値上がり分も考慮した上で使用する必要があります。

そして風で気をつけたいのがドアの開閉です。
開閉した車や自宅のドアが煽られて、蝶番(ヒンジ)が歪んだという場合には風災と判断できる場合があります。
ドアが勢い良く開いた拍子に街路樹にぶつかったとか、玄関ドアの脇の壁にぶち当たったなどという場合には、風災ではなく他物との衝突と判断される可能性があります。

この2つ、「強風によってねじ曲げられたのか」「何かにぶつかったから壊れたのか」などが、加入タイプによって保険がおりるかどうかの境目だったりします。

もしこのような条件によって補償の有無が変わるのが嫌でしたら『オールリスク』と言うタイプの保険に入っておくとよいでしょう。

きっとこの日曜日に、「ドアが煽られて隣の車のドアを凹ませてしまいました」という事故のご連絡があるだろうなぁと思いましたが、幸い弊社のお客様は皆さん慎重だったようです。
車の乗り降りでドアの開け閉めをする際の事故は自動車保険を使うことになります。
事故は事故。前の車に追突するのと同じだけ来年の保険料が高くなってしまいますから、相手の修理費は保険を使わずに直される方がほとんどです。

でも金額の妥当性の確認や交渉は保険会社がやってくれますから、ご相談はお気軽にどうぞ。

悪天候の日は、不要不急の用事での外出は控えるのが一番の保険かもしれませんね。

ティー・アイ・プランニング 新谷拓己 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です